もう一枚の「人生これまでの自論」にも、意味深いメッセージが並んでいます。

説明をお願いします。

最初は「誰がやってもよいことは、黙ってやる」です。皆さんは、仕事をやらなくてはいけない時、「なぜ自分がやらなければならないのか。誰か別の人がやればいいじゃないか。」と考える事があるかもしれません。しかし、私はそうは考えません。誰がやっても良いことは、黙って自分がやればよいと考えています。文句を言う必要はありません。

次は「仕事は損得を考えずに、ひたすら頑張る」です。「この仕事を頑張ると自分にとって得なのか」とか、「頑張ってやるのは損だ」などと、仕事に損得を考え始めると、つまらないことばかり考えてしまい、頑張ることができなくなってしまいます。それは誰かがやらなくてはいけない仕事のはずです。損得を考えずに、あなたがすればよいのです。私はそう考えて仕事に取り組んできました。

次の「頑張ることに理由はいらない」も同じかもしれません。「頑張る」理由を考えるということは、「頑張る」ことの見返りを考えているという事です。見返りを考えず、ただ、頑張ることが大事ではないでしょうか?

4番目は「良い判断を早く、そして行動を起こす」です。皆さんも「判断を早くすることが大事」という事はわかると思います。しかし、判断しただけでは何も変わりません。行動を早く起こすことによって、はじめて、問題が早く解決したり、仕事の進め方が良くなったりします。判断だけでなく、早く行動するが大切です。

次は「行動前や結論前に、もう一度だけ考える」です。先程の「良い判断を早く、そして行動を起こす」と矛盾するように感じるかもしれません。早い判断と行動は大切ですが、判断結果の影響が大きい場合、もし誤った判断をしてしまうと、影響も大きく、その対応に労力と時間がかかります。そうした影響の大きい判断の場合、一旦、自分の中で結論を出した後、例えば、一晩考えて、考えが変わらなかったら、実行に移すなど、「もう一度だけ考える」ことにより、慎重な判断ができるよう心掛けています。

次は「己が解らないことは、人にやらせない」です。私は自分ができない事、わからない事は人 にやらせないようにしています。よく、自分ができない事を人にやらせて、できないと怒ったりする人がいますが、できない事の難しさやリスクを自分で判断できないのであれば、人にやらせるべきではないと思います。

次は「ピンチをチャンスに変える」です。個人でも組織でも、何か問題が起きたりして 「ピンチ」が訪れることがあります。「ピンチ」の場面では、気持ちも落ち込んだり、ネガティブになりがちですが、「ピンチ」は、問題点を根本的に解決したり、ポジティブな 変化を起こすきっかけです。そうした気持ちで「ピンチ」に立ち向かうことができれば、「ピンチ」は「チャンス」に変わります。

最後は「恩は恩で返す」です。人から受けた恩に対して感謝をするのはもちろんですが、言葉だけでなく、行動することが大事です。受けた恩は恩で返すのが一番だと思っています。もし、恩を受けた人に恩を返せない場合は、患者さんに恩を返す。同僚や後輩に恩を返す。など、他の人に恩を返していきたいと思っています。

 

 

国立がん研究センター中央病院 放射線技術部長 麻生智彦氏 ⑥へ