さっきからバンドの話ばっかりしているんですけども、私、本当に放射線技師の仕事が大好きで。女子医大での仕事は非常勤だったので、一般撮影とマンモくらいしかやらせてもらえなかったんですけど、極めていく面白さだったり、患者さんと接しながら仕事していく業務の難しさとか楽しさとかやりがいとか、そういうのをすごく感じていて、放射線技師の仕事ってなんて楽しいんだろうって思いながら毎日本当にすごい楽しく仕事していました。

だから、本当はもっとCTもやりたいし、MRもやりたいし、核とか治療とか、自分のまだ触っていないモダリティをどんどん勉強していきたいのに、自分が非常勤であるということで制限が出てしまうのがすごく嫌で。だから放射線技師として自分がステップアップするために、やっぱり就職したいんだ、という話をメンバーにして、メンバーも分かりました、と。それで、そのバンドも解散をすることになりました。それが一昨年の夏ぐらいですね。

当然女子医大に入りたかったので、受けるんですけど、数年前に、女子医大の方で医療ミスの事件があったんですね。その影響がかなり大きくて、それでしばらくは新卒をとらないという話になりまして。

その後しばらく就職活動をしまして、南東北グループの総合東京病院に入職したんですけど、地域の民間病院というのもありまして、割と同じような検査とか、同じような症例ばっかりが多い暇な病院で。数ヶ月くらいで単調な毎日にちょっと嫌気がさし始めて。

これはちょっとイメージしていたものと違うぞ、どうしたものかなというのを考え始めたころに、駒澤大学の西尾先生から大学教員のお話をもらいました。是非とも行きたいという話をしましたら、とんとん拍子に話が進み、すぐに内定が出まして、今に至ったというわけです。

非常に音楽時代の話が長かったんですけども、かなり紆余曲折ありまして、遠回りしながらここに辿りついたということです。

 

結果的にすごく近道だったんじゃないですか?

遠回りしたつもりが実は近道だったのかもしれませんね。今、文科省の規定で実務経験が5年以上無いと、放射線技師としての先生になれないのですが、丁度5年だったんですよね

この春で。

なので、遠回りをしたつもりが最短を通ったような、だいぶ不思議なんですけど、そんな遠回りなのか近道なのかよく分からない経歴をたどってきました。(笑)

 

5年病院で働くと放射線技師の先生になれるのでしょうか?

 最低限、修士はもっていないとダメなんですけど。修士以上を持っている方で、診療放射線技師の教員として放射線学科に所属するには、実務経験が5年以上必要です。あとは大学側のニーズですよね。教えられていた先生が退職されたときに、その穴が埋められるような授業ができる先生が必要、とかということです。

 

 

 

日本医療科学大学 吉本先生インタビュー 前編④へ