一種放射線取扱主任者の資格は持っていた方が良いですか。

「持ち合わせられるものは全部持っていた方が良いですね。大学病院ではどうしてもRIの管理者になるためには一種の免許が必要になってくるので持っていることに越したことはないです。学生のうちに絶対欲しい免許ですね。」

 

就職先を選ぶときのアドバイスをお願い致します。

「今私は大学病院にいますけど、診療放射線技師が5人くらいの個人病院も経験させてもらいました。大学病院と民間病院のどっちがいいですかって言ったら、一概にどっちがいいかわからないです。どっちがいいとは言い切れないです。

なぜかというと、例えば民間の病院は、すべてのモダリティーを短期間で覚えることができ即戦力として業務にあたりますが、当院は5年間で全モダリティーを経験うる環境です。なので、自分が活躍する場としてどこに照準を置くか、なにをやりたいかっていうのをまずは持ち合わせることです。

大学の4年間に、自分はどういう風な進路に進みたいかっていうのを真剣に考えることです。誰かが大学病院に行ったから大学病院に行こうっていうのでは、絶対務まらないです。自分は『将来こんな診療放射線技師になるんだ』と目標を持つことが大切です。そういう面からすると、大学病院は時間をかけて全てのモダリティーを回るので、『自分が実際、何に適しているのか』っていうのがよくわかるという面もあって、大学病院を選んでくれる人も中にはいるんだと思いますね。なので、大学の4年間で、真剣に、自分はこんな技師さんになりたいんだっていう理想像をしっかり持ち合わせることが大切かもしれません」

 

学生時代にやっていて良かったことを教えてください。

「遊びです。僕は誰にも負けないくらい遊んでいました。あとは、確かに遊びもそうですけど、僕は学生時代(約26年前)にもうすでに撮影をしていました。今と違ってどんどん撮影ができたですね。シャッターも押していましたし、患者さんにも触れていました。それでもお咎めが無かった時代なので、そういう風にやっていました。

僕が今学生の人たちに何を期待するか、求めるかっていうと、コミュニケーション能力です。コミュニケーション能力を鍛えて就職して来てくれることが一番大切なんじゃないかと思います。なので、アルバイトとか、よく遊びなさいって言います。我々の仕事は、サービス業といっておかしくありません。なぜならば、患者の訴えを聞くことで、良好な検査ができるからです。良好な検査を行うためには、会話が大切ですなので、是非コミュニケーション能力を上げてきてもらいたいです。

就職してから、まずコミュニケーションから教えなきゃいけないっていうのはちょっとつらいかな。さっきも言ったように、学校で撮影体位を教わりました、それをすぐやります。それはありがたいけれども、それ(撮影体位など)よりはコミュニケーション能力を養ってきてくれた方がいいかもしれない。今は、就職試験に合格するのはコミュニケーション能力が高い子なんですよ、そういう人材を欲しがっています。僕たちも欲しいですし。あと素直な子ですかね。」

 

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