どんなときにやりがいを感じますか?

それはやっぱり患者さんがニコニコして帰った時かな。どんな病気であっても、ここで検査を受けて良かったと思ってもらえること。

どの検査でも病変見つけて、きれいに描出できた時にやりがいは感じるけど、それは嬉しくない時もある。触っても全く分からなくて、多分検診だと見逃してしまうような5㎜ぐらいの乳がん癌を見つけた時、すぐ手術すれば部分切除で終わるような癌なら患者さんも見つけた私も嬉しい!

でも、そうじゃない進行した癌の人もいるから、一概に病変見つけたのが嬉しい、やりがいがあるって言うのは違うよね。やっぱり終わった後、癌の人でもとりあえずは安心して、検査したことを喜んで帰ってもらえるって言うのが、一番やりがいがあるかなあ。検査の目的は、病変を見つけて、診断・治療に有効な画像を提供することだけれど、それだけでなく患者さんの気持ちに沿う接遇であったり、被ばく線量管理であったり、あらゆる面で患者さんに利益をもたらせる検査をすることですかね。

以前に超音波検査をしたB型肝炎の患者さんが、検査する時に差別されたと聞いたことがあります。確かにB型肝炎って汗とか体液とかで感染することもあるから、感染っていう面ではタオルを変えたりとかしなきゃいけない部分もあるんだけど。

でも、ちょっとベッドに寝たからってすごく汚い物を触ったみたいにしたり、隔離する必要までないのにすごく差別されて汚い物扱いされたらしくて、その人にお腹の超音波をした時に普通に拭いてあげて普通に対応していたら涙流して感謝されたことがあったんですが、その時は、嬉しかったとともに憤りをかんじました。

 

働いていて楽しいですか、それとも大変でしょうか?それはどんなときに思いますか?

楽しいよね。最近、小児の超音波検査のオーダーが多くなってきました。レントゲンだと被ばくしちゃうし、CTだと被ばくと造影剤によるダメージがあるよね。盲腸の疑いとか腸重積っていうのは超音波検査でプローブをポンとあてれば分かるのね。そういうのは赤ちゃんが苦しまないで短時間で出来るじゃない。今はCTがあるからいいけど、昔はお腹が痛くて白血球が上がっているだけで手術されちゃって、実は盲腸じゃなかったっていうのが結構あったんです。CTがあればCTでいいんだけどお検査料金も高いし、被ばくもするし、造影剤の副作用のリスクもあるし・・・・超音波あてるだけで分かれば患者さんのお財布もハッピーだし、被ばくしないでハッピーだし、手術されなくてもっとハッピー!なので。今は、超音波装置の精度があがってよい検査がでできるようになったのはすごくいいね。

 

 

 

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